猫や犬に限らず、動物を見ていると心が和みますよね。実際に動物を眺めたり飼ったりすることには、医学的にも効果があるといわれています。

動物を見るだけで血圧が下がる
歯医者さんに行くと、むやみにドキドキしませんか? 私はあの匂いと痛そうな音に、待合室の時点ですでにドキドキしてしまいます。研究によると、そんなとき水槽の観賞魚を見つめると血圧が下がり、落ち着くのだそうです。それによって、より軽い麻酔で歯の治療が受けられるようになるという報告もあります(Katcher, Freidmann, Beck & Lynch 1983/Katcher, Segal, & Beck 1984)。
ペットを飼っている人は生存率も高い
心臓発作で入院した患者さんを対象にした調査もあります。犬や猫などの動物を飼っている人と飼っていない人とで、退院後1年以上の生存率を比べたところ、飼っていない患者が72%だったのに対し、動物を飼っている患者は94%と、22ポイントも高かったという結果が報告されています(Friedmann, Katcher, Lynch & Thomas, 1980)。これも、動物と過ごすことで心拍数が下がり、鎮静効果があるためだと考えられています。
確かに、忙しく働いたあと家に帰って猫と遊ぶと、自分の気持ちがふぅっと落ち着いてくるのがわかります。動物で癒されるというのは、医学的にも裏付けのあることなんですね。

動物介在活動・動物介在療法
この癒し効果に着目して、現在では老人ホームなどでも猫や犬による「動物介在活動(AAA)」や「動物介在療法(AAT)」が行われています。これにより、表情をなくしていた方が笑顔を取り戻したり、気力を改善させたりすることもあるそうです。
2005年の日本臨床獣医学フォーラムでの石田卓夫先生の講演では、こんな言葉が紹介されていました。
「動物が人間の持つ自然なところを引き出してくれるのでしょう。」(2005/09/17 日本臨床獣医学フォーラム 石田卓夫先生講演内容より)

子供の情操教育にも
動物を飼うことは、子供の情操教育にもよいとされています。自分よりか弱い命を大事に育てることで、思いやりの気持ちを育むことができますし、動物の生死を通して、命の重さを言葉ではなく身をもって感じることができるのかもしれません。
私自身、小学4年生から柴犬を19年間飼っていましたが、かわいいだけでなく、老犬の介護や最期を看取るときのつらさなど、いろいろなことを学んだように思います。
元・上野動物園園長の中川志郎氏は、こんな言葉を残しています。
「周りがみんな人間ばかりのなかで生活しているのは、不自然なこと。動物学的には1種類だけで成り立っている世界は考えられない。人間の中にいたら人間のことはよくわからなくなる。人間とは違う種類の動物がいてこそ、動物という自然と触れ合ってこそ、人間を感じられるのだ。それは人が人であるために不可欠なことだ。動物と心を通わすことは、自然を理解することなのだ。」
また、「古賀イズム」の提唱者として知られる古賀忠道さんはこう語っています。
「動物は自然理解への懸け橋、ペットは家庭と自然をつなぐ親善大使である。」

ただし、いいことばかりではありません
猫や犬を飼うことには、いいこともあれば大変なこともあります。
- 猫アレルギーがある方にとっては、猫がつらい存在になってしまうこともあります
- 人と動物の間でうつる「人畜共通感染症」もあります(詳しくは厚生労働省の「動物由来感染症を知っていますか?」をご参照ください)
- 旅行などで長期間家を空ける場合は、知人・親類に世話を頼む、ペットシッターを手配するなどの対応が必要です
- 日々のフード代はもちろん、猫が病気になった場合は基本的に保険がきかないため、金銭的な負担もあります
- 命を預かる責任はとても重く、途中で投げ出すことはできません
猫を飼おうか迷っている方は、急がずゆっくり考えてみてください。
それでも、それを補って余りある喜びをくれるのがペットだと、私は思っています。
ネットサーフィンをしていたら、とても素敵な詩を見つけました。犬の詩なのですが、思わずほろっときます。